do創業当時高校生だった私の趣味は、おいしいコーヒーの飲める店を探すこと、という高校生にしてはずいぶんとマセた趣味だった。
車も持っていない高校生の私が、自分の足であちこち探すのは、なかなか骨が折れる。仮に、気に入った店が見つかったとしても遠くては通えない。そんな時に近所になにやら良さげなお店が登場して、これを見逃さないわけがない。
早速当時付き合っていた彼女(現在進行形)と足を踏み入れることに。それがdoとの出会いだった。
「どんな人がやってるんだろう?」と興味津々の2人。
「いらっしゃいませ!」と店内からは男性と女性の声が。
店に入るとまず目についたのは、カウンター越しに並んだカップの数々。ウエッジやらコペンやら思わず「おぉ〜」と感嘆の声が漏れる。
そしてカウンターの中にはマスターらしき人の姿が。そこからさらに左へと視線をずらしていくと1人の女性と目が合う。
「お好きな席へどうぞ」と言った彼女の笑顔は好印象。緊張気味だった私たち2人を和ませてくれた。
どこに座ろうかと店内を見回す。カウンターにすわろうかどうしようか迷ったが、1番奥の席を陣取ることに。
さて、いよいよ注文である。メニューを見てまず驚いたのは、その種類の多さだ。コーヒー以外にも大量のドリンクメニューがあり、何を飲めば良いのか目移りしてしまう。さらに、そんな大量の品目数にもかかわらず、メニューの一品一品にコメントが書かれているのだ。驚くと同時に”こだわり”を感じることができた。
私の場合は最初からコーヒーと決めていたので、それほど迷うことはなかったが、彼女のほうは一生懸命メニューを読んで迷っていたことを覚えている。
その日飲んだコーヒーは、今まで飲んだものとは全く質の違う、言うなれば”極上の逸品”であろう。
その日を境に、私達がdoのコーヒ、ひいては”do”というカフェの虜となってしまったことは言うまでも無い。
1997年8月、札幌市中央区南8条西1丁目に“ちょっとおしゃれな喫茶店”がオープンした。それがcoffee square doだ。
添加物を使わない焼きたて、作りたての自家製ケーキと、コーヒー、紅茶や、人気のハーブティーなど、50種類以上の自然素材の飲み物を提供してくれる。
コーヒーは、一杯ずつ手落としなので、いつでも入れたてを飲むことができる。もちろんその他の飲み物も、オーダーが入ってから一杯一杯入れてくれるため入れたてだ。
ケーキもその日の分しか焼かないため、人気のものは売り切れることもしばしば。そのたびに新たなケーキを作るので一日に何度かメニューが変わる、なんてことも珍しくない。常連の私にとっては、それが魅力のひとつだったりもする訳だ。
店の前にはたくさんの花やハーブ等の植物がディスプレイされ、外観を見ているだけでも心が癒される。
入り口横に置かれた手作りのメニューボードには、その日ごとに用意された自家製のケーキたちが名を連ねている。
グレーを基調とした壁に、こげ茶色のテーブルとイスがバランス良く並べられた店内に、流れるBGMが心地よい。カウンターの向こう側には、ウェッジウッドやコペンハーゲン等の様々なカップ達がその顔を覗かせている。
窓からは柔らかな日の光が差し込み、店内を包み込む。
そして夜になると、なじみの客がカウンターを埋め、閉店近くまで談笑が続く。